1、はじまり
天地がひっくり返るような出来事があった
東北大震災の直後だった
家から出られなくなり、仕事を辞め
一日中ソファに座って中庭を見てた
パソコンを見て検索するのは
死後の世界…
鬱病の症状全てに当てはまった
精神病院や心療内科をいくつか受診した
「軽い鬱症状」
向精神薬と眠剤を処方された
東北で被災者さんのカウンセリングをしていた友人から「いつも被災者さんの向こうにポロンを見てる。家族を失い仕事を失いそういう意味では被災者さんは多くのものを失くした。けれど悲惨という意味ではポロンの方が悲惨」
私は東北大震災の方より悲惨なんだ…
自分の身に起きた出来事が恐ろしくなった
直後、生理が無くなり、10年後身体に異変が起きた
生きていることが不思議だった
処方されたお薬は服用しなかった
半年後、仕事に就くために資格を取りにいった
授業なんて耳に入らない
授業中も涙が出た
終わったら逃げるようにバスに乗った
家に帰ると、毎晩真夜中に問題集を穴が空くほど消しゴムで消してやった
一度で試験に合格して早く仕事復帰するんだ
精神状態はまだまだだったが
先生に「もう大丈夫です。死にたいとは思いません。」そう嘘を言って、仕事復帰にOKを出してもらった。
娘がいた
私のために仕事が終わると真っ直ぐに帰ってきて、私を支えようとしてくれた
「ママは働かなくていいよ。これからは私のお給料で暮らせばいいよ。ママにはお金がなくても幸せだと育ててもらった。これからは私が恩返しをするよ。」
厳しく育てて可哀想なことをして、子育てに自信がなかった、嬉しかった。
娘を私の不幸の巻き添えにしてはいけない。幸せになるために娘は生まれてきたのだから
天地がひっくり返る出来事が起きて一年後、仕事に復帰した