求めるもの

おばあさんからかかってくる電話は

「(ハァハァ…と苦しそうに)苦しいんです、どうしたらいいですか」と聞き取れないほど小さな声。

どなたかご家族は?と聞くと、息子がいるけど話しを聞いてくれないと言う。

救急車を呼んでくださいと言うと、じゃあいいと言って電話を切られる。

こうして毎日何回もかかってくる。

こういうお年寄りは何人もいて、独居の方も多い。


寂しいのだ。

ただ、話しを聞いてほしいだけ。


看護師が電話に出て話しを聞けば落ち着く。

「大丈夫!」と言ってあげると安心する。

頻繁にかかってくるようになり、病院業務に支障が出るようになると、病院から精神科をご案内するようにと指示がでる。


寂しい老人の行く末は精神科…


精神科に行っても同じ

医師や看護師はやはり忙しく、話し相手はできません。眠剤や精神安定剤を処方されるだけ。

お薬には弊害もあり、解決にはならない。


寂しい老人に必要な処方は話し相手。

注射やお薬ではありません。

温もりのある人間です。


それは老人に限らずかもしれない

病人に限らずかもしれない


子供にも学生にも主婦にも働く人達にも

どんな人にも必要なものは

話しができるということだと思います。


日の出時間に、お散歩へ