お節

娘がいなくなって9年、一人でも毎年お節を作っていましたが、↓(去年のおせち)



今年はお煮しめと紅白なますと栗きんとんと田作りだけにしました。元旦は仕事だったので夜にお雑煮をいただきました。




娘が生まれるまでは、姑が作ったお節をいただいたり、姑と一緒に作ったりしていたのですが、娘が生まれてからは私がうちのお節を作るようになりました。

娘にお正月の思い出の中にお節を残してやりたかったのと、娘に子供が生まれたら、お節を作ってやってほしくてでした。


父は棒鱈が大好きで、兄はお豆が好きでしたが、お節って美味しいと感激するようなものではありませんし、今は元旦からお店が開いているので三が日の食料として必要なわけでもありません。夫の家は三が日の主役料理はすき焼き、蟹鍋、焼き肉、海老フライ、鰤の照り焼きでしたが、それはそれ…お節はメイン料理ではなくて、主役にはなれないけど、縁起もののなくてはならない重要な脇役なんです。


棒鱈の鱈は一か月ほど前からお水につけなきゃならないし、昆布巻きは工程が邪魔臭く脇役の癖に主役より時間がかかります。

だけど父が好きだからと言いながら嬉しそうに棒鱈(いもぼう)を作っていたり、ストーブの火で時間をかけてトロトロに昆布巻きを煮ていた白い割烹着の母の姿は、お正月を迎える主婦の幸せな姿でした。


私は来年からお節から卒業しようと思います。食べてもらう人がいなくなりましたし、体力的にもしんどくなりした。それに…年末は食材が高騰して材料費がかかります。


去年…お節の材料を抱えてバス停で待っていたら、隣に座っていたおばあさんに話しかけられました。お節の材料を買ってきました。と言うと

「偉いわね。私はもう何も作らなくなりました。紅白なますだけ作ろうかな。息子も帰ってこないし、作っても食べる人がいないから」

胸が痛みました。新年を迎えるというのに…お正月だというのに…なんて寂しいこと…

おばあさんは私の姿でした。


お正月…お節って

家族を繋ぐ大切なお料理なんでしょうね。

おばあさんに、お節を作って迎えるお正月がくればいいな。