私を支えてくれるもの

幼いとき、と言っても

小学高学年、

居間でウトウトしていた私を

父が抱き上げて、二階のベッドに連れて行ってくれたことがある。


小学五年、六年というと「起きて、ベッドで寝なさい」…ってお尻を叩かれてもいい年齢なのに


父は私が気持ちよさそうに寝ているから、起こすのが可哀想になったんだと思う。 


階段を抱き抱えられ上ってくれていたとき、目が覚めていたけど、寝たフリをしてた。


起こさないように、起こさないようにソッと抱き抱えて、そーっと階段を上がって、そーっと横にした娘の寝顔を見て


父は

きっと…笑っていたと思う。

きっと…幸せだったと思う。


私の記憶では、あの日を最後に父に抱き抱えられたことがない。

父に抱き抱えられた記憶を持ててよかった。


辛いとき、寂しいとき…

いつも私と一緒にいてくれるのは

父や母の記憶