幸福の女神
よく言われた
「君は女神だ」
私に会ってから、運が開けた人が何人もいる。
はじめは気がつかなかったけど、
そう言われるたびに私は一つずつ幸せを失くしていった。
昨日は同僚が、独身の弟さんを家に呼んで焼肉パーティーをしたらしい。宴もたけなわの時にメールがきていた。
「宴もたけなわ、弟来てます^ ^」
彼女と同じ職場に勤めたとき、彼女が私に弟さんの話しをした。
「弟とは気が合わない。身体にハンディがあってしょっちゅう入院をしてる。旦那も毛嫌いして近くに住んでるけど、行き来してないねん。何年も会ってない。」と言うので、
「せっかく縁あって姉弟で生まれて、たった二人の兄弟なのに。一番悲しんでいるのはご両親、仲良くしてほしいと思うよ。近くなら時々は晩ご飯を運んであげたらいいのに。」と言った。
私って、黙って「へー、そうなんや」って聞いていればいいことでも、自分ならと思って話してしまう。さしでがましい…とも言う。
同僚は超天邪鬼、人の話を素直に聞かない。この会話のときも、「あかんねん、弟とは付き合いたくないねん」と言ってたけれど、二、三か月も経ったころ、「弟に晩ご飯届けてるねん」とシレーと言った。
しめしめ…
彼女はいつも私の話しを耳をダンボにしながら…シレッと聞く。
それから関係がみるみるうちに変わり、弟さんは彼女の旦那様の事業の資金援助をしたり、彼女の子供達にお年玉やお祝いをしたり、長い間叔父さんに会わなかった子供達も今は叔父さん大好きで、身体にハンディのある独身の叔父さんのこれからは自分達が考える。と言ってると言う。
よかった。
争ってもいいことなんて、一つもない。
憎しみ恨みの感情に自分が満足するだけ。
憎しみや恨みからは良いことは生まれない。
昨夜激しい憎しみを持つ人と会話した。何があったかは言いたくないらしい。最近、ここでもよく見かける激しい憎しみを持つ人。
何かがあったんだろうな…
涙がこぼれて、
私の気持ちまで重くなった。
この人の激しい憎しみを変えることができたらいいのに。
「同級生の中で一番幸せになれそう」
そう言われた私の最期は幸せな姿は片鱗もないだろうけど、
私の大切な人たちは愛を感じて幸せをかみしめて暮らしてほしい。
お盆を過ぎると一気に秋の気配、
まだまだ暑いけれど
秋の虫の声が聞こえだした。
地球に何が起きても
時は変わらず過ぎてくなら
今この時を
憎しみなんかに捉われずに
愛を持って暮らしたい。